一戸建て住宅を計画する際に、お家づくりについていろいろ調べていると「長期優良住宅」という言葉を目にするかもしれません。
この記事では、長期優良住宅とは何なのか、長期優良住宅にはどんなメリット・デメリットがあるのか、長期優良住宅を選択する際のポイントについて解説します。
長期優良住宅とは
「長期優良住宅認定制度」の基準を満たし、認定を受けている家が「長期優良住宅」と呼ばれています。簡単に説明すると、長期優良住宅とは「長期間にわたって快適で安心な暮らしを提供するために設計された住宅」のことです。
一戸建て住宅の場合、8つの認定基準があります。長期優良住宅と認定を受けるためには、下記の認定基準を満たす必要があります。
長期優良住宅の認定基準
- 劣化対策
数世代にわたり住宅の構造躯体(建築構造を支える骨組みにあたる部分)が使用できること。 - 耐震性
極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること。 - 省エネルギー性
必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。 - 維持管理・更新の容易性
構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について、維持管理(点検・清掃・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。 - 移住環境
良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。 - 住戸面積
良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。 - 維持保全計画
建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。 - 災害配慮
自然災害による被害の発生の防止又は軽減に配慮されたものであること。
長期優良住宅と認定されることで受けられるメリット
長期優良住宅と認定されることで、減税や住宅ローン金利の引き下げなどさまざまな税制面の優遇を受けることができます。
メリット1 住宅ローン減税が受けられる
住宅ローン減税とは、毎年の住宅ローン残高に対して所得税の減税が受けられる制度です。
毎年の住宅ローン残高に対して0.7%、最大13年間減税が受けられます。2024年1月以降は、省エネ基準を満たした住宅でなければ住宅ローン減税の対象外となっています。
長期優良住宅であれば、必然的に省エネ基準も満たしているため、4,500万円の住宅ローン減税が受けられます。
※2025年3月時点の情報です。
メリット2 登録免許税が安くなる
長期優良住宅であると、建物や土地を購入した際の所有権登記にかかる登録免許税の税率が軽減されます。保存登記費用が0.15%から0.1%へ軽減。移転登録費用が0.3%から0.2%へ軽減されます。
※2025年3月時点の情報です。
メリット3 不動産取得税の控除額が増える
不動産取得税とは、建物や土地を購入した際にかかる税金です。一般住宅は、1,200万円の控除、長期優良住宅であると1,300万円の控除が受けられます。比較すると、長期優良住宅の方が数万円多く減税されるようになっています。
※2025年3月時点の情報です。
メリット4 固定資産税の減税期間が延長される
固定資産税とは、建物や土地の所有者が支払う税金です。
新築時に、3年間1/2税額が減税されます。その期間が、長期優良住宅であると5年間に延長されます。
※2025年3月時点の情報です。
メリット5 地震保険料の割引が受けられる
長期優良住宅であると、耐震等級などに応じて地震保険料の割引が受けられます。耐震等級2の場合、30%の割引率。耐震等級3の場合、50%の割引率となっています。
メリット6 住宅ローンの金利が優遇される
住宅ローンについても、長期優良住宅であれば金利が優遇されます。
民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する「フラット35」は、最長35年の全期間固定金利の低金利で金利変動のない住宅ローンです。長期優良住宅であると、「フラット35S」という商品が準備されており、さらに金利を下げることができます。
メリット7 地域型住宅グリーン化事業の補助金が受けられる
地域型住宅グリーン化事業とは、国土交通省の採択を受けた中小工務店が建てた、木造住宅において活用できる補助金事業です。つまり、事業の採択を受けた地域の中小工務店等が整備する木造の長期優良住宅は、この補助金を受けられます。
メリット8 光熱費を削減できる
長期優良住宅は、認定の基準として省エネルギー性が定められているため、高断熱・高気密な構造であり冷暖房効率が高く、光熱費を削減できます。
メリット9 資産価値の向上
長期優良住宅は、高い耐久性や省エネルギー性を求められることから、一般的な住宅よりも評価されるため資産価値が長期間にわたり維持されやすいです。
長期優良住宅のデメリット
長期優良住宅の認定を受けることで金銭面のメリットが多くあることが分かったと思います。一方で、どのようなデメリットがあるのかについても説明していきます。
デメリット1 初期費用の高さ
長期優良住宅の条件を満たすために、建築のコストが上がる可能性があります。高品質な建材や設備を使用するため、建築費用が一般的な住宅より高くなることがあります。
デメリット2 設計・施工の制約
長期優良住宅の基準を満たすために、設計や施工において制約が生じる場合があります。
デメリット3 維持管理の必要性
長期優良住宅は、認定を受けて完成した後も長期間にわたって良好な状態を保つために、定期的なメンテナンスや点検が必要になります。
長期優良住宅を選択する際のポイント
実際に長期優良認定住宅を選択する際のポイントについても紹介します。
ポイント1 ライフスタイルの考慮
長期優良住宅の特長を最大限に活用しながら、自身のライフスタイルや将来のプランについても考慮して考えることが大切です。
ポイント2 信頼できる建築業者の選定
適切な施工とアフターサービスを提供してくれる信頼できる業者を選ぶことが重要です。
ポイント3 補助金や税制優遇の活用
初期費用を抑えるために、国や自治体の補助金や税制優遇を活用しましょう。
長期優良住宅のメリットとデメリットを理解して、新築住宅の計画を立てよう
今回は、長期優良住宅の認定を受けるメリットとデメリットについて説明しました。
長期優良住宅の条件を満たすために手間や費用はかかりますが、税金の控除や補助金、住宅の品質など様々なメリットが受けられることが分かったと思います。
また、長期優良住宅の特長を最大限に活用しながらも自身のライフスタイルや将来のプランについて考慮することも大切です。
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