蔵の曳家工事の流れ
これは曳家工事前の蔵の様子です。
この蔵は、母屋に隣接していますが、盛り土をすることになったため、一度移動させる必要がありました。
ここからは曳家工事の様子を事例を交えてご説明させていただきます。
曳家工事を進めるための準備をしております。
また、外壁の破損している箇所がありますが、後程外壁改修を行いました。
これは蔵の中の様子です。
枕木で櫂を組み、ジャッキアップして、櫂に大梁を入れて、蔵を持たせています。
これは蔵が載っている基礎との間の様子です。
蔵を移動するための道をつくるために木材を積んでいます。
真っすぐ移動させるための道に枕木を並べますが、平行になっていなければ倒壊の恐れがあるので、しっかりと平行になるよう調整しています。
シッカリと平行になり道ができたら蔵を動かします。
これが蔵を動かした後の、基礎の状態です。
慎重に蔵を動かしている状態です。
この場所に移動させてから盛り土をして、ベタ基礎を組みました。
ここからは蔵を元の場所に戻します。
蔵の下にコマを入れて、ワイヤーで引っ張り、再度設置する方に蔵を移動させています。
この作業を基礎のところまで繰り返します。
もう1段上の段に蔵を移動させました。
新しく設置したベタ基礎がある場所へ蔵を移動させました。
蔵をベタ基礎の上にのせました。
蔵が綺麗に最初にあった場所におさまりました
これで曳家工事は完了です。
蔵の曳家工事を行う際に気を付けたポイント
蔵の曳家工事を行う際に気を付けたポイントは3つあります。
- 柱の傾き
- 土台や梁の水平
- 移動用レールの水平精度
この蔵の曳家においては、根がらみ工法(土台揚げ工法とも呼ばれる)を採用しました。
この工法では、蔵を常に真っすぐの状態を保ち、ゆっくり慎重にスライドさせていくことになります。
蔵を真っすぐな状態を保つためには、職人が常にチェックをしながら進めることが必要です。ただこのチェックは、目で確認するだけでなく、耳で蔵の軋み音を確認したり全神経を集中させる必要があります。
少しでも気を抜くと、お施主様の大切な蔵が倒壊する恐れもありますので、念には念を入れた慎重な作業を行うことが大切です。
まとめ
ここまで蔵の曳家を行った事例を利用して、どんなことをしているのかのご説明をさせていただきました。
曳家工事はお施主様の大切な思い出の詰まった建物をそのままの状態で移動できる素晴らしい工事です。
しかし、建物は少しバランスを崩すと倒壊する恐れがあるので曳家工事は、優れた技術と経験がなくてはできません。
だからこそ曳家工事をお考えであれば、信頼のできる建設会社にご相談することを推奨いたします。
日の出組は2020年で創業120年を迎えますが、これまで培った経験と優れた技術があります。
大切な古民家や蔵をそのまま移動させる曳家工事のことなら、日の出組にご相談ください。