構造 | 木造 |
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階数 | 2階建て |
建築面積 | 149.14㎡ |
延床面積 | 224.64㎡ |
竣工年月日 | 平成27年8月8日 |
設計・監理 | ㈱日の出組 一級建築事務所 |
施工 | ㈱日の出組 |
リフォームコンセプト
夏は涼しく冬は暖かい、古民家ならではの問題を解決しつつ、間接照明がおしゃれな和モダンデザインに
譲り受けた実家をリフォームすることになった理由
もともと、お施主様の実家でお母様が住んでいた時は隣町に住まれていた様でしたが、隣町の家を息子様に譲るために、実家に移り住むことを考えておられました。
ただ、古民家は断熱材も入っておらず、冬は寒く夏は隙間からクーラーの冷気が抜けるので、エアコンの効きが悪いです。また、何十年も前に建った木造住宅は、光が部屋の隅々まで届きにくく今の時代の家に比べると、どうしても暗いです。
そこで、移り住むと決めた際に、暖かく明るく使い勝手の良い家になる様にリフォームをしようと決められました。
リフォーム前の実家の悩み
- 断熱材がなく冬は寒い
- 玄関ホールが暗い
- 洗濯ものを干すスペースがない
- 階段が急
- 2階の部屋に収納が少ない
- キッチン周りに食器や食材を置くスペースが少ない
これら古民家特有の悩みがありました。
お施主様の要望
そして要望のヒアリングをさせていただくと、和室はそのままで、家全体的に和風のイメージは残して欲しい。あとはクリナップSSと言うシステムキッチンが好きだから、クリナップSSを使って欲しいという細かな要望、またしっかりと防犯をしたいということでした。
今回の実家リフォームのポイント
(1)温かみのある照明と吹き抜けが開放的な玄関廊下
玄関を入ってすぐの空間に吹きぬけをもうけることで、家に入った時に空間の広がりを感じるようにしました。
またこの吹き抜けは家が広く感じるだけでなく、温かみのある色の照明を計算して配置し、立体的な吹き抜けに見えるようにしています。
(2)家に入った瞬間に和を感じる丸窓と竹の化粧材
照明の色に合わせて、クロスや床のフローリングの色、アクセントカラーを配置することで、温かみのある玄関を演出しています。
また左側の写真にある丸窓は、フチに木材を使用し程よい装飾をすることで和のイメージを引き立てます。
さらに、玄関扉を開けてすぐの天井に、竹の化粧材を利用して間接照明を当てることで模様が綺麗にまた高級に見えるようになっています。
玄関は家の顔といいますので、お客様が来ても気品の高さがうかがえる。そんな玄関にしました。
(3)急だった階段を90センチ延長して緩やかに
古い木造住宅は、階段の長さが短いことで、1段1段の蹴上がり寸法がどうしても高くなり、また踏面も短くなってしまい、急な階段が多いです。
急な階段は、老後のことを考えると、手すりが付いていても非常に危ないものです。
だからこそ、階段の長さを伸ばして、1段1段の高さを低くしつつ、踏面を広くしたため、ゆったりと登れる階段になりました。
(4)サンルームを設置して洗濯物を干すスペースを確保
元々、お施主様のお母様が健在だった頃の洗濯物を干すスペースは庭だったようで、雨が降るとすぐに入れなくてはいけないこともあり非常に手間がかかるものでした。
そこで、サンルームを設置することで洗濯物が干せるスペースを作り、雨が降っても干しておけるようにしました。
更に脱衣所にサンルームへの扉を設けることで、洗濯動線が良くなりました。
(5)屋根裏収納のような2階の物置スペース
2階大屋根と1階大屋根との間にある小屋根の下のスペースに僅かなスペースがあったので、有効活用できる屋根裏部屋のような物置部屋を設置しました。
(6)お気に入りのクリナップSSを使用したおしゃれキッチン
キッチンには、お客様から要望のあったクリナップSSを利用しました。
また、程よいサイズのペンダントライトを3つ取り付け、オシャレに見せるだけでなく、料理中の手元も明るくなるようにしました。
(7)耐震もバッチリ!
工事中の写真ですが、壁でも大切な箇所には筋交いを入れています。
どうしても昔ながらの家は、屋根の重量が重たいので、最新の構造の家に比べると横揺れに対して柱や梁にかかる負担が大きくなってしまいます。
筋交いは、地震による横揺れ時の負荷に対して、非常に効果を発揮してくれるものなのです。
まとめ
和の雰囲気を持たせつつ、また外装の雰囲気もそのままにして、リフォームをすすめて行きましたが、光や色の使い方を工夫し、また材料にもこだわることで、品の良い和の雰囲気を感じる内装に仕上がりました。
これはリフォーム後の外観ですが、窓サッシなどの建て具以外はあまり変わっていません。
外観のイメージをそのまま残してリフォームは完了しました。