構造:木造
階数:2階建て
敷地面積:211.1㎡
建築面積:83.02㎡
延床面積:124.15㎡
お客様の要望
大きな開口部をとって自然の太陽の光や風を取り入れて自然を感じれるようなナチュラルな空間にしたい。
また子供が小さいので走り回れるような広々とした空間にしたい。
設計時のご提案
太陽の自然な光を家の中に取り込もうと思うと、南側や東側に大きめの開口部(窓)を持ってくることで、自然と太陽光がたくさん入ってくるようになる。
そのため、一番利用するリビングを太陽光の入りやすい南側に配置し、大きな採光窓を設置する。
またそれだけでなく、大きな採光窓の反対側に窓を設けることによって、風が抜けるようになるので、自然の風を感じるリビングにできる。
リビングの採光窓の対面にある部屋は和室で、この和室に低めの窓を設置することにより、温度差を利用した効率の良い換気窓となる。
リビングは壁や段差のない広々使える空間に
リビングはキッチンや和室と壁がない状態で繋がっており、小さな子供が走り回れる広々空間を実現しました。
更に、リビングにある大きな窓はテラス窓になっており、床面と同じ段差レベルになるようにフラットにウッドデッキを設置しました。
更にリビングの対面にある和室は、よくあるような障子戸を取り付けることなく、一切遮蔽物をなくすことで、リビングとの一体感を出しています。
ただ、誰かお客様がきたりした時などのために目隠しをできるよう、和室の入り口にはロールスクリーンを設置し、いつでも和室として利用できるようにちょっとした工夫をしています。
ただいつもはリビングと一体化した部屋なので、ロールスクリーンを開けた状態であれば、リビングの中に和風空間があるというデザインになっています。
これらの空間を意図的に操作をすることにより、お客様の要望通りの野外も広々とした明るく風の抜ける空間というだけでなく、子供でも怪我のしにくい広々空間になりました。
傾斜地や開口部の方角を利用し、プライバシーを保った大きな窓を設置
この土地は住宅地でしたが区画の角にあり、南側が傾斜地になっていました。
その条件を最大限に生かして庭を配置し、木で傾斜地の向こうからの目隠しをまず作りました。そのため、庭に続くウッドデッキ面に大きなテラス窓を設置することができ、人目を気にすることなく生活できるようにしました。
ただ、昼間は開けっ放しでも良いですが、夜間は別のプライバシー対策が必要になります。そのため、電動シャッターと、縦型ブラインドを壁一面に設置することで、遠くからでも中が見えないように配慮しております。
間接照明を利用して、光とプライバシーを上手にコントロール
夜になると明るい家の中は覗かれやすくなってしまいます。
とはいえ、窓を閉めるとせっかくの風の取り入れやすい空間に風は入らなくなり、更には月の光も入らなくなり、光を楽しめなくなってしまうというデメリットが生じます。
そのため、縦型ブラインドに向けて間接照明を設置することにより、窓枠上部から柔らかい光が差し込んでいるような雰囲気を演出しました。
玄関の大きなFIX窓は視線が交わらないように配置
玄関にはいると大きなFIX窓が見え、坪庭をのぞくことができます。
ただ、庭に誰かいると見えるように窓を設置しているのではなく、リビングと玄関の間にある少し凹んだ建物の形を利用し、その間に坪庭を設置することで、視線が交わらず、自然光の明るさを感じるだけでなく、開放感を感じる玄関にすることができました。
お風呂の窓も建物の形状を利用した明るい洗濯干しスペースに向けて設置
リビングとお風呂の間、キッチンのちょうど真向かいに位置する場所に、2畳ほどのウッドデッキスペースを設けています。
実は、家事動線を考えてあえてウッドデッキスペースを設置しているのですが、ウッドデッキに出てすぐ右手(リビングの真向かい)にはお風呂があります。
そしてお風呂の窓は、このウッドデッキスペースに向けて設置されており、外に窓を設置していますが、外から見えないように設置しているので、プライバシーを保った明るめのお風呂にできました。
風が通るだけの家だと冬は寒いので吹付断熱で対策
家の断熱方法は、様々ありますが、一般的には外壁の中に入れるグラスウールか吹付断熱があります。
グラスウールによる断熱は安いというメリットがありますが、綺麗にグラスウールを壁の隙間に入れたとしても少しづつ隙間ができてしまうというデメリットがあります。
実際にこの隙間から熱が逃げたり入り込んだりするので、夏は暑く冬場は寒い家となってしまいます。
ただ吹付断熱は、吹き付けた瞬間からマシュマロのように膨らみ、隙間なく断熱層を形成することができます。
今回利用した吹付断熱は、フォームライトSLというものを利用しました。
ぜひこのサイトの中をご覧いただくと、吹き付けた瞬間からマシュマロのようにふわふわと膨らみ、隙間がどんどん埋まっていくのがわかります。
料金はグラスウールよりも少々高めですが、グラスウール断熱よりも信頼できる断熱方法なので、夏は涼しく、冬は熱が逃げにくいので暖かいお家になります。
明るく広々とした風を感じて、夜はおしゃれな間接照明のある、年中快適な家が完成
- 自然光を取り入れるための工夫
- 風が抜けるようにするための工夫
- プライバシーを保護するための工夫
- 子供が走り回れるような広々空間にするための工夫
- 夜でも光を感じるおしゃれな空間にするための工夫
- 年中快適な室温で過ごせるための工夫
様々な工夫を設計時に施してきたからこそ、これらのメリットが得られる木造建築物が完成しました。
家族が笑顔で子供もすくすく育つ、そんな家になってほしいですね!
建築した家に住んでいるお客様の声
大変満足しています。特にリビングは、広い吐き出し窓から降り注ぐあかりと間仕切り壁のない和室のため、とても開放感があります。
また、収納箇所もできる限りたくさん作って戴いたので、とても重宝しています。